東洋タイムス

フッ素セパレート

2019/07/02

今回紹介する自社商品は「フッ素セパレート」です。

 

・「フッ素セパレート」とは?

 

皆さまは潤滑・防錆といえば、鉱物系やシリコン系などのベタベタ油をご想像されるかと思います。フッ素セパレートはベタつきがない乾燥被膜型潤滑・防錆剤です。

聞き慣れない言葉ですが、どのような商品か簡単に申しますと、金属の表面がフッ素加工されたフライパンのようになります。フッ素セパレートを部品や摺動部の表面の動きを滑らかにし、ホコリ・砂などの付着を防止できます。

 

・フッ素セパレート誕生秘話

 

今から約23年前、精密プラスチック部品を製造している金型職人さんから、「錆止めで塗った防錆油が製品加工中に金型の隙間から少しずつにじみ出て、製品に付着してしまう。それをパートの人たちが手作業で1個1個拭き取り、手間がかかって困っている」と、当時の担当営業マンが相談を受け商品開発が始まりました。試行錯誤を繰り返し、ようやく2年後にフッ素セパレートが完成いたしました。当時は鉱物系やシリコン系のベトついてしまう潤滑剤が主流でしたので、フッ素セパレートのようなベタつきづらい乾燥被膜型の潤滑剤は非常に珍しく、順調に売り上げを伸ばすことができました。

 

ようやくお客様に喜んでいただける商品が出来上がったと思った矢先にプラスチック業界では生産コスト低減などにより、生産拠点を海外に移していきました。その影響は大きく、順調だったフッ素セパレートの売り上げも激減し、一時は廃番寸前に追い込まれました。

そこで、当時の営業マンたちが他の業界でも需要があるのではないかと、様々な業界に営業活動を行い、展示会などでの説明会やデモ販売を始め、様々な業種の代理店様との同行PRなど考えられる全ての営業手法を尽くしました。

 

その甲斐あって、再びフッ素セパレートの販売本数を増やすことができるようになりました。現在では、製本・印刷・自動車・バイク・建築・官庁関係など様々な業界でご愛顧いただける商品となりました。

 

・主な使用用途

 

家庭内の鍵穴・扉や、サッシのヒンジ部分・釣り具・精密部品・工具など、ベトつきを嫌う部分です。面白い使い方では、雪シーズンになるとプラスチックの雪かきスコップの表面にスプレーすると雪かきが楽になると喜ばれています。

 

様々なジャンルで活躍している商品ですので、是非一度ご使用されてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2017年夏発行 社外報『和』第5号より)