東洋タイムス

エピソード:0  シリコンとシリコーン 

2021/12/06

こんにちは!中の人です。
日頃、ふと疑問に思うことを探るのが、中の人です。

『シリコン』と『シリコーン』。

結論から
シリコン は 元素
シリコーンはシリコンを化学反応させた人工化合物です。

 



 半導体の供給不足/需要過多状態が解消されないニュースをよく聞きます。
モノが作りたくても作れない、今発注しても納期は1年後・・・。
今、我々の生活は、『半導体』なくしては成り立たないといっても
過言ではありません。
半導体に欠かせない物質が『ケイ素(silicon) 原子番号14 』です。
 

シリコン(Silicon)

 ケイ素は自然界では二酸化ケイ素(SiO₂=珪石、珪砂、シリカ)として存在します。
ケイ素は『シリコン』とも呼ばれ、半金属に分類され、大陸地殻では酸素に次いで
存在量が多い(酸素46.6%、ケイ素27.72%)物質です。長石類や雲母類などケイ酸
塩鉱物と呼ばれるケイ素を含んだ鉱物は たくさんありますが、資源として重要なの
は石英だけになります。石英は身の回りでは花こう岩や流紋岩にガラス光沢のある
灰色粒状で多く含まれ、岩石の空洞に美しく結晶し たもの は水晶と呼ばれています。
砂やガラス、コンクリートの材料など、様々なものに含まれ、埋蔵量は極めて潤沢で、
高純度のものも世界に広く分布しているそうです。

           石英 成分:SiO₂ 

                 

このありふれた物質が、大質量星の爆発後に作られた超新星残骸で検出され、
惑星の材料がどのようなプロセスで作られたかをしる手掛かりになるかもしれない!?
と宇宙界隈では話題になっているようです!
 

二酸化ケイ素を還元させてできたのもが『シリコン』であり、
元素や半導体(高純度のケイ素の結晶)のことを表します。

化学式:SiO₂+2C → Si+2CO

 

 

シリコーン(Silicone)

 上記でできたケイ素(Si)に炭素鎖と炭素を化学反応させてできたものが
『シリコーン』と呼ばれる人工化合物です。
形状によって、オイル、ゴム、液状ゴム、レジン、シランに分けられます。
無機と有機の性質を兼ね備える合成樹脂です。
一般に無色・無臭で撥水性を持ち、耐油性・耐酸化性・耐熱性が高く、不導体であり、
重合度や置換基などの違うさまざまな形態の製品が提供され、幅広い産業分野で活躍しています。

 

 

 

一連.png

 

 


資源は潤沢なのに、なぜ半導体不足が起こっているのか?

原料となるケイ石の日本国内の埋蔵量は約2億トンあるとされているようなのですが、
金属ケイ素を作るための工程、酸化物から還元する、には膨大な電力を消費する為、
日本では石油危機の影響もあり、1982年から国内での製造をやめ、
現在ではすべて輸入に依存しているようです。

主要原産国:ノルウェー、オーストラリア、ブラジル、南アフリカ、中国

コロナ禍に加え、主要原産国での電力不足により生産が追い付かないなどの
要因がかさなり、需供のバランスが崩れて価格高騰が起きている現状です。

 

 

 

次回 エピソード1:シリコーンはかく語りき