東洋タイムス

エピソード:1 シリコーンはかく語りき

2022/01/20

今回は『シリコーン』について。

日常生活において、結構身近に潜んでいますよね!シリコーン型、医療素材、柔軟剤、化粧品、潤滑剤、コーティング剤、……。
あらゆる産業で使用されている機能性素材です。エピソード0でも記述しましたが、
『シリコン』を化学反応させて作られた人工化合物であり、形状によってオイル、ゴム、液状ゴム、レジン、シランに分けられます。


シリコーン

シロキサン結合(-Si-O-Si-)を主骨格とし、ケイ素原子にさらにアルキル基、アリール基などの有機基が結合した高分子化合物の総称。重合度、有機基、高次構造などにより、オイル、グリース、ゴム、樹脂などの形態をとる。耐熱性が高く、撥水性、電気絶縁性、耐薬品性に優れるため、電気・電子、自動車、化粧品・トイレタリー、建築・土木などさまざまな産業分野で使用されている。

 


シリコーンの長所

●耐熱性・・・・・・最高で250℃近い環境下でも変化しない

●耐寒性・・・・・・寒さに強い

●熱安定性・・・・・-100℃から250℃といった広い温度範囲で特性が変わらない

●耐候性・・・・・・酸素やオゾン、紫外線などに対する特性。

                              コーティング剤などの利用に。

●低い熱伝導率・・・熱が伝わりにくい

●電気絶縁性・・・・幅広い電気用途に使用できる

●化学的安定性・・・低い化学反応を持ち、性質がかわらない

●離型性・・・・・・モノとモノを剥がしやすく

●接着性・・・・・・モノとモノをくっつきやすく

●消泡性・・・・・・泡を消す

●撥水性・・・・・・水をはじく高い撥水性

 

シリコーンの短所

●非粘着性・・・・・ほとんどの素材にくっつかない。

                             (用途によっては短所になる)

●強度・・・・・・・引張強度や、引き裂き強さなどでは劣る

●耐摩耗性・・・・・耐摩耗性も劣る

 

これらを特徴づけているのがシリコーンの持つ、『シロキサン結合』と『分子構造』です。
 


 

『シロキサン結合』


シロキサン → ケイ素(Si)と酸素(O)を骨格とし、アルカン(R)を複合化した化合物が交互結合してポリマーが形成された状態。
 

siloxanesilicon:ケイ素 + oxygeb:酸素 +alkane:アルカン(炭化水素)

シリコーンは有機と無機の両方の特性を持ち合わせています。
無機のシロキサン結合が、有機ポリマーの主鎖であるC-C結合やC-O結合よりも結合エネルギーが非常に大きいので、200℃という高温でもその結合が壊れることがなく、化学的に安定し、耐熱性、耐候性、電気絶縁性に優れているようです。


 

『分子構造』


 炭素を含む化合物を有機化合物、そうでない化合物を無機化合物といいます。(例外あり:一酸化炭素、二酸化炭素、炭酸塩などは炭素を含むが無機化合物)シロキサン結合に有機基が結び付くと、様々な特性が追加されます。
シリコーンのシロキサン結合は分子全体が6個で1回転する『螺旋構造』で、それによってほかの有機物には見られない様々な特長があります。
また、導入する有機基の性質によって、親水性、疎水性、耐寒性などが強化、または付与されます。 

 

『ストレートシリコーン』
有機基がメチル基-CH3 や フェニル基-C6H5 などから構成されたシリコーン

 ●メチル基 水に溶けにくい
 ●フェニル基の量を増やすと、低温で硬化しにくくなり耐寒性が増す

 

『変性シリコーン』
ポリエーテル、エポキシ、アミン類、カルボキシル基、アラルキル基など

 ●フッ素を含むフルオロアルキル基を導入すると、耐油性や疎水性が向上する
 ●アミノ基を少量導入すると、エマルジョン特性が大きく改善される
 ●ポリエーテル基は、潤滑性の改善に効果がある

 

 

シリコーンは様々な製品に使われ、私たちの生活を助けてくれています。

 


 

『シリコーンができるまで』

 

複雑な工程を得て生成されるため、専門家ではないと『???』ですが、下記の工程で作られているようです!
 

 


参考:Wikipedia、他